3月 2013Archives

褒める教育の在り方

「今 僕のいる場所が 望んだものと違っても」(Mr. Children「Any」より)

間もなく四月ですね。
皆様如何お過ごしですか。

私の方は、現在「ノー・ヴォイス」ドラマの編集作業の佳境を向かえると共に、
ドキュメンタリーの撮影を連日行っております。

ドラマの音楽には、下関のご縁から作曲家の和田薫先生が担当をして下さることと
なりました。

和光市が誇る「サンアゼリア」の和田薫先生

私が18年間お世話になった和光市が誇るホール、サンアゼリアで
和田薫先生が「ノー・ヴォイス」ドラマパートの劇伴を演奏して下さいました。
映像の空気感にとてもマッチした素晴らしい音楽。
和田先生は2006年から
和光市のこのホールでリサイタルやイベントを開催されているとのことです。
ですが、私と和田先生とのご縁は、実は山口の下関、
巡り巡って和光市で繋がりました。
ご縁繋ぎをして下さいました方々に心より感謝申し上げます。

今、抱えているものが沢山あり、映画の製作と共に、
少しずつ携わっている活動の整理をし始めております。
ノー・ヴォイス、野馬追、映画祭、8890、そして会社の映像制作事業
一つ一つを振り返ってみると、
それらはどれも自分の過去に抱えていた悩みや憧れだったりすることに気がつきます。

犬猫、馬、地域、コミュニティ、コーポレート……
社会と縁が深いものばかりが現在の私の活動のテーマなんだと気付かされます。

「社会」きっとそれは子供の頃の自分にはとても縁遠く、
一番接することが少なかったものだと思います。
幼少期から強い憧れがあり、子供の頃から早く大人と接したい、
仕事をしたい気持ちが強くありました。
今になってみると、そのズレは、
自分の活動の色として節々に見えていたりするのではと振り返っております。

今日は、とある動物病院の先生取材致しました。
日本の獣医学の普及を長年にわたり取り組んでいる先生でして、
既に50年近くも業界に従事されているとのこと。
先生から伺った内容は、日本と諸外国の犬猫の飼い方の大きな違いのことでした。

日本の場合は、ペットは主従関係、外飼いが当たり前だった環境の中、
諸外国では、共生、コミュニケーションを大切にする意識が確立していること、
そんな違いを教わりました。

ペットを叱る、しつけるではなく、
褒めて育てる飼い主の姿勢が大切であることをお話されておりました。

褒めて育てる、
日本の教育現場では真逆な環境が多々あったかと思います。
自身も小さい頃から、これと真逆な環境で育ち、それが当たり前と思い込み、
映画の現場でもそんな環境が日本では今まで多々あったかと思います。

自分がダメなんだ、自分が間違っている、
そんな意識をずっと持たされる環境で育つことを「当たり前」とする環境。

ただ、この数年は、真逆の発想の方々とお会いすることが多々有ります。
罵声や叱咤ではなく、良い部分を育てる工夫をする。

この教育姿勢こそが、今の日本に欠けているものであり、
これからドンドン普及させていくべきものではないでしょうか。

変わっているから悪いのではなく、
変わっていることを認められないことを省み、相互に成長をしていく姿勢。
それこそが本来の教育だと感じております。

社会がポジティブに、相手を認め合っていけたら、
子供はもっと豊かに成長していけるだろうと感じております。

取材した獣医師の先生に私の過去をチラッとお話ししました。
先生は、「幼少期抱きしめてくれる人がいたら良かったですね」
と仰って下さいました。
確かに振り返ると厳しくしてくれた人はいても、
温かく抱きしめてくれた人の記憶はほとんどないんです。
唯一思い返せるのは亡くなった祖母が優しくしてくれた記憶だけです。

家族とはなんなのか、生きるとはなんなのか、
日々自問自答をしながら、創作活動をしております。

小学生から大学生までドラマが大好きでずっとテレビっこでした。
いつしか、自分の憧れの創作活動の世界にいることは、とても不思議です。

業界に入り始めたことは、商業ドラマや商業脚本をバンバン描いてやるという
野心がありましたが、今の立ち位置はちょっと違うのかなと振り返ったりします。

子供たちと物作りを楽しみたい。
そして今から10年後、笑顔で日本を誇りに思える社会を一緒に築きたい。

教室の先生しか仕事はないと思っていた自分が
いつしか、映画の力で教育や社会に携われる自分がここにいるんじゃないかなと
思い返しております。

獣医師の先生は私に、「先生、まだまだやることが沢山ありますね」と
笑顔でお伝え下さいました。
お言葉を拝聴し、まだまだ勉強すべきこと、成長すべきことがあるなと
改めて感じた時間でした。
何より先生の笑顔にホッとした2時間の取材でした。

今は、この映画を完成させて、
いろんな地域の子供たちと語り合いたいという気持ちが胸いっぱいです。

褒める教育がもっと日本に普及していけるよう、
ポジティブに、そしておおらかに、
引き寄せられる出来事に向き合っていきたいと思います。

日本がもっとポジティブで、良い部分を褒めていけるようになれるよう
少しずつ、そして長い目で変わっていけるよう、
日々精進していきたいと思います。

相馬野馬追・二年の軌跡vol.1〜南相馬編〜

前日都内を出発した上映隊は、
都内の渋滞に苦戦しながら、宇都宮を経由して、
16日の夜に南相馬に到着しました。

震災後、この地に訪れるのは、既に5度目。
海岸付近の様子は、震災直後の荒々しい感じからすると、
大分整理された感じを見受けましたが、
見渡す限り、土がむき出しになった空間の姿は
2年経っても変わることのない、魂の無念な声が聞こえてくるような気がしました。

火力発電所近くの海岸線沿いにて

3月17日(日)、鹿島のさくらホールで上映会を行いました。

とてもステキなホールが鹿島にはあります

この日は、相双ビューロー本猪木さんや、ホワイトレイヴンの竹内さん、
市議の但野さんがお手伝いに駆け付けて下さいました。
まるで映画館のような環境で、上映会を行わせて頂き、とても光栄でした。

改めて、スクリーンで本映像を拝見すると、
野馬追当日の臨場感や空気感が迫ってくる感覚になりました。
ゲストの菅野長八さんをお迎えして、上映後はトークイベントを行いました。
震災でご家族を亡くされ、現在も仮設住宅にお住まいの菅野さん。
野馬追は、生活そのものであり、これから若い世代に継承を促していきたいと
強く語られておりました。

上映後はDVDの配布会をさせて頂き、
南相馬に約300枚をお届けすることになりました。

上映会場にて来場者に配布させて頂きました
フロンティア南相馬さんにお届け致しました

南相馬は、震災後、あらゆる生活環境がいっぺんしてしまい、
1からのスタートを余儀なくされている地域です。
その中で、次世代に向けて、この地元と共に住む意味、希望を模索していることが
現地を訪れてとてもよく判りました。
私たちは映像の力で、この地に根付く精神文化を広く発信していくと共に、
地域の方々と一緒にその文化の意味、そして素晴らしさを感じ、考えていきたいと
思っております。

【今後の野馬追上映会の日程】
3/30(土)17:00〜 高円寺・素人の乱12号店(ゲスト:山本夜羽音先生)https://www.facebook.com/events/609931992354499/
3/31(日)14:00〜 中野・なかのば (ゲスト:いわき市湯本第二中・澤井校長先生)https://www.facebook.com/events/366720556776445/

今後は、宇都宮や横浜、そしてロシアでの上映も行っていきそうです。
この映像を是非、身近な方々と共有頂き、次世代に向けて
被災地の現状の様子を知って頂くと共に、人間が豊かに生きるのに必要なことを
皆さんで一緒に考えていけるととても嬉しく感じております。

お問い合わせ先は、nomaoi@cosmobox.jpです。

自分を好きになるということ。

皆さん、こんにちは。
お変わりございませんか。

私の方は、昨日出た健康診断の結果にニンマリしております。
こんだけ不規則な生活をしているのに、
メタボでもなく、背骨も心臓も健康のようでホッとしております。
油断禁物ですが、食生活は節制しながら、身体を大切にして参りたいですね。

最近はお仕事を沢山頂くようになり、
映画の撮影や会社のこと、学校のこと、プライベートな活動、
日々大変充実しております。
丸々一日のお休みも2011年末からまだないので、
今年は4月辺りに、一日か二日は思い切って休んでみたいと考えてます。

最近はクライアントワークと映画「ノー・ヴォイス」の制作、
野馬追MOVIEの制作、「ソーシャルシネマフェスティバル」映画祭、
木造一軒家を借りる準備、会社の経営やら、
イベントのお誘いやら、仕切りなしの日々でお休みが全くない日々が続いてます。

間もなく3.11を迎え、震災から早2年。
被災地に訪れた際の生々しい匂い、足場の不安定な道を歩いた感覚、
残された物、家、ご遺体などいろんな記憶が巡って参ります。

今になって思うと、あの当時福島に訪れたことは
とても貴重な体験で、自分が如何に身の回りのことに甘え、依存した生活に
囲まれたかを考えさせられた体験でした。

自分の身の回りのことしか知らない自分が、
生死の境目に向き合う人たちと繋がり、感じ、考えられたことは、
人として、生きる上で何が大切かを気づかせていただいた経験でした。

生きることは、幸せに生きること。
幸せに生きるとは、どういうことなのかを今でも日々勉強しながら、生活しております。

「相馬野馬追」を目の前で観られたことも大変貴重な体験となりました。
「馬と共に生きる」
都会では考えられないことが、福島の相双地区では当たり前の生活環境であることに
驚かされ、
その伝統文化が千年以上も続いていることを初めて知ること驚愕致しました。
(後に母校を訪れた際に、日本史の先生に中学の時に教えてもらったことを伝えられました(笑))

日本人が凛としていることは、決して今に始まったことではなく、
永い歴史の中で少しずつ培われていった大切な財産です。
アイデンティティが地方の、それも被災地の方から教わったことに
私はちっぽけではありますが、何かをやり遂げなければならない、
そんな使命を感じたのが2011年でした。

その相馬野馬追の二年間の歴史を収めた映像の上映会を
以下日程で開催致します。

【福島南相馬編】
■日時:2013年3月17日(日)(13:00開場)13:15開演、15:00終了
■場所:〒979-2333 福島県南相馬市鹿島区寺内字迎田22−1
「さくらホール」(http://bit.ly/VxHaAc
■内容
・「相馬野馬追2011/2012・二年の軌跡」上映会
・菅野長八さん(北郷騎馬会)トークイベント〜相馬野馬追の魂を語る〜
・「相馬野馬追2011/2012・二年の軌跡」DVD配布会
詳細:https://www.facebook.com/events/428321003910774/

【高円寺編】
■日時:2013年3月30日(土)(17:00開場)17:15開演、19:30終了
■場所:素人の乱12号店
166-0002 東京都杉並区高円寺北3丁目8-12 フデノビル2F 奥の部屋 (北中通り沿い斉藤電気店向かい)
JR中央線高円寺駅下車徒歩7分http://trio4.nobody.jp/keita/shop/12/map.html
■内容
・「相馬野馬追2011/2012・二年の軌跡」上映会
・山本夜羽音先生(マンガ家・「おたぱっくQB」)トークイベント〜平将門伝説(仮)〜
・「相馬野馬追2011/2012・二年の軌跡」DVD配布会
詳細:https://www.facebook.com/events/609931992354499/

相馬野馬追のDVDをCIPAフォトエイドの助成活動の一環として
活動しておりますので、
もし上映会やDVDにご興味がありましたら、
nomaoi@cosmobox.jp
までご連絡下さいませ。

動物との共生がテーマである「ノー・ヴォイス」も現在、
ドラマパートの編集、音付け、CGI、及び
ドキュメンタリーの撮影を行っております。
http://no-voice.com

ドキュメンタリーの取材を重ねる度に感じるのは、
主義・主観が違えども、根幹は動物との共生のモラル、責任感を持つことの大切さ、
それが巡り巡って誰かを愛し、誰かを助け、自分も愛せるようになるということ。

この考えは、動物を飼うことに限らず、いじめやエネルギー、紛争問題にも
通ずると感じております。

日々、過去、思想、職業、生活環境の違う人たちが
如何に相容れず共に幸せになれるかということ。

その時に、私が大切だと思うのは、自分と違う考え・価値観の人を批することなく、
だからと言って無理くり一緒になることもなく、
その存在を尊重し、讃えることだと思っております。

主観が強くなると人はどうしても、何かを批したり、けなしたりします。
それは瞬発的には効力があっても、巡り巡って自分を苦しめます。
相手を愛すること、それは日頃からの行動や気持ちの持ちよう、感謝が大切だと思います。

そのために、人は何かを学び、何かを考え、何かを生み出すのだと思います。
とどのつまり、人間は外と命と繋がるために日々内なる欲と葛藤するのだと感じます。

give and takeに意味が近しいかも知れませんが、
何かを与えたから何かを授かるということでもなく
自然体で他者の幸せを願えたら、ふと目の前に幸せな気持ちが舞い降りている
という感覚かも知れません。
きっと、もっと世の中が無形物に対しての畏敬を持てたら、
ステキだろうなと日々感じながら生活をしているわけです。

とりとめのない話になってしまいましたが、
そんな気持ちを追究したいから、自分は作品を作っていて、
映像の仕事をさせていただき、そしてここに命を授かっているのだと感じてなりません。

書きたいことが沢山あり、そんなことも日々葛藤です。
一つ一つ目の前に授かった課題にまっすぐに向き合って参りたいと思います。

書きたいことは、
・自分の人生を振り返りたいこと
・溜め込んでいる小説を書きたいこと
・温かい童話を書きたいこと
などなど。

今年はできるだけ、物を書くことにトライしていきたいと思っております。
春が待ち遠しいですね。