褒める教育の在り方
間もなく四月ですね。
皆様如何お過ごしですか。
私の方は、現在「ノー・ヴォイス」ドラマの編集作業の佳境を向かえると共に、
ドキュメンタリーの撮影を連日行っております。
ドラマの音楽には、下関のご縁から作曲家の和田薫先生が担当をして下さることと
なりました。
和光市が誇る「サンアゼリア」の和田薫先生 |
私が18年間お世話になった和光市が誇るホール、サンアゼリアで
和田薫先生が「ノー・ヴォイス」ドラマパートの劇伴を演奏して下さいました。
映像の空気感にとてもマッチした素晴らしい音楽。
和田先生は2006年から
和光市のこのホールでリサイタルやイベントを開催されているとのことです。
ですが、私と和田先生とのご縁は、実は山口の下関、
巡り巡って和光市で繋がりました。
ご縁繋ぎをして下さいました方々に心より感謝申し上げます。
今、抱えているものが沢山あり、映画の製作と共に、
少しずつ携わっている活動の整理をし始めております。
ノー・ヴォイス、野馬追、映画祭、8890、そして会社の映像制作事業
一つ一つを振り返ってみると、
それらはどれも自分の過去に抱えていた悩みや憧れだったりすることに気がつきます。
犬猫、馬、地域、コミュニティ、コーポレート……
社会と縁が深いものばかりが現在の私の活動のテーマなんだと気付かされます。
「社会」きっとそれは子供の頃の自分にはとても縁遠く、
一番接することが少なかったものだと思います。
幼少期から強い憧れがあり、子供の頃から早く大人と接したい、
仕事をしたい気持ちが強くありました。
今になってみると、そのズレは、
自分の活動の色として節々に見えていたりするのではと振り返っております。
今日は、とある動物病院の先生取材致しました。
日本の獣医学の普及を長年にわたり取り組んでいる先生でして、
既に50年近くも業界に従事されているとのこと。
先生から伺った内容は、日本と諸外国の犬猫の飼い方の大きな違いのことでした。
日本の場合は、ペットは主従関係、外飼いが当たり前だった環境の中、
諸外国では、共生、コミュニケーションを大切にする意識が確立していること、
そんな違いを教わりました。
ペットを叱る、しつけるではなく、
褒めて育てる飼い主の姿勢が大切であることをお話されておりました。
褒めて育てる、
日本の教育現場では真逆な環境が多々あったかと思います。
自身も小さい頃から、これと真逆な環境で育ち、それが当たり前と思い込み、
映画の現場でもそんな環境が日本では今まで多々あったかと思います。
自分がダメなんだ、自分が間違っている、
そんな意識をずっと持たされる環境で育つことを「当たり前」とする環境。
ただ、この数年は、真逆の発想の方々とお会いすることが多々有ります。
罵声や叱咤ではなく、良い部分を育てる工夫をする。
この教育姿勢こそが、今の日本に欠けているものであり、
これからドンドン普及させていくべきものではないでしょうか。
変わっているから悪いのではなく、
変わっていることを認められないことを省み、相互に成長をしていく姿勢。
それこそが本来の教育だと感じております。
社会がポジティブに、相手を認め合っていけたら、
子供はもっと豊かに成長していけるだろうと感じております。
取材した獣医師の先生に私の過去をチラッとお話ししました。
先生は、「幼少期抱きしめてくれる人がいたら良かったですね」
と仰って下さいました。
確かに振り返ると厳しくしてくれた人はいても、
温かく抱きしめてくれた人の記憶はほとんどないんです。
唯一思い返せるのは亡くなった祖母が優しくしてくれた記憶だけです。
家族とはなんなのか、生きるとはなんなのか、
日々自問自答をしながら、創作活動をしております。
小学生から大学生までドラマが大好きでずっとテレビっこでした。
いつしか、自分の憧れの創作活動の世界にいることは、とても不思議です。
業界に入り始めたことは、商業ドラマや商業脚本をバンバン描いてやるという
野心がありましたが、今の立ち位置はちょっと違うのかなと振り返ったりします。
子供たちと物作りを楽しみたい。
そして今から10年後、笑顔で日本を誇りに思える社会を一緒に築きたい。
教室の先生しか仕事はないと思っていた自分が
いつしか、映画の力で教育や社会に携われる自分がここにいるんじゃないかなと
思い返しております。
獣医師の先生は私に、「先生、まだまだやることが沢山ありますね」と
笑顔でお伝え下さいました。
お言葉を拝聴し、まだまだ勉強すべきこと、成長すべきことがあるなと
改めて感じた時間でした。
何より先生の笑顔にホッとした2時間の取材でした。
今は、この映画を完成させて、
いろんな地域の子供たちと語り合いたいという気持ちが胸いっぱいです。
褒める教育がもっと日本に普及していけるよう、
ポジティブに、そしておおらかに、
引き寄せられる出来事に向き合っていきたいと思います。
日本がもっとポジティブで、良い部分を褒めていけるようになれるよう
少しずつ、そして長い目で変わっていけるよう、
日々精進していきたいと思います。