自分だからできることを追求する
少しずつ暑さが和らいで参りましたね。
如何お過ごしでしょうか。
高円寺では間も無く恒例の阿波踊り!
二日間で100万人が訪れるそうですよ。
現在、最新作「あまのがわ」の制作準備を鋭意行っております。
OriHimeの吉藤オリィさんとは10月にロケハンに行ってまいります。
来年35歳になる自分にとって集大成のような作品になると思い、
この作品が出来たら悔いはないと思えるような作品に仕立てます。
「あまのがわ」を作る上で、いろいろな映画を観ております。
そんな中、ふと、自分が映画の世界に入るときに感じた気持ちは、
「自分でしか作れない作品を生み出す」という決意を
あれは、映画の世界に入る前の大学で物理を専攻していた時代に
思ったのでした。
映画館では必ず異性の友人がいて、その彼女が好きだという作品を観て、
興奮し、いつか自分がこれを越えるような作品を作りたいと思っていました。
学生時代に感動したのが、「ドラッグストアー・ガール」
田中麗奈さん主演のラクロスの映画ですが、
ドラマしか観なかった自分にとって
映画館で異性と一緒に作品を観るというだけでとても楽しかったのですが、
青春かつスポ根作品の爽快さに思わず、すげーと感じたのを覚えております。
映画って映画館で観るから、面白いよなと、
それから映画館での鑑賞が好きになっていきました。
でも映画って当たり外れが大きいですよね。
なんでこんな作品に2時間も拘束されなければいけないんだと思う作品も多々。
予告編やキービジュアルが良くても、映画はやっぱりストーリーだよな、と
思いました。
自分の中で大好きな映画の上位に上がるのが
「Big Fish」
「500日のサマー」
「スミス都に行く」
「生きる」
邦画大好き人間で、邦画の数の方が圧倒的に観ているのにも関わらず、
洋画が勝ってしまうのかなと、ふと思いました。
本年は「セッション」があまりに名作すぎて、目からウロコでした。
BEST5に入る作品だと思いましたが、
そんな中、昨晩素晴らしい邦画と出会いました。
「バケモノの子」
アニメと言えばジブリですが、そのどの作品よりも感動を受けた
名作で、感動のあまりに上映後、声が出なくなり、こんなに素晴らしいアニメを
作ることができるんだとただただ感心させられました。
前々作の「サマーウォーズ」でも細田演出ならではの感動と爽快感を覚え、
人間哲学とエンターテイメントの融合の観点では、
宮崎監督とは違った視点で描いている素晴らしい作品だと思っております。
「バケモノの子」を観ていて、自分がいま作りたいと思っているエッセンスが多々あり、
これを「あまのがわ」でどう表現していこうかと、鑑賞をしながら終始ずっと考えていました。
人間の心に潜む闇、孤独、差別、それを乗り越えていく潜在的な力、
そこにはメンターという存在が不可欠で、
年上、同世代関わらず、謙虚に誰かから何かを教わることという
生きる上でとても大切な姿勢を細田監督は描いてくれました。
この作品に出会えたことは、自身の作品を作る上でも大変価値あるものとなりました。
細田監督に心からありがとうございますと伝えたいと思いました。