1月 2017Archives

久喜市鷲宮小学校講演会と子供たちのアンケート


昨年最後の講演会は、埼玉県久喜市の鷲宮小学校での講演会でした。
「夢と豊かな心を育む講演会」という県の事業の一環でご依頼を受けました。
自身が長らく住んでいた埼玉県、そして「ノー・ヴォイス」のロケ地ともなった
ゆかりある県で、このようなご依頼をいただきましたことは、
何より嬉しいことでした。


講演のタイトルは、
「映画をつくる中で感じた、いのちの大切さと私たちのしあわせ」
と致しました。


かれこれ、講演会でお会いした方も、2万人を越えております。

その中で、小学一年生から六年生に向けてというのは、
初めての体験でしたので、下の子たちから上の子たちまで
小生の話が理解できるかなとドキドキしながら、講演をさせていただきました。


講演の数もかなり経験してきましたので、アクティブな空間を生み出すことを心がけ、

対話的、そして自発的に考えられるような構成を心がけましたが、
小学生は素が大変活発なので、こちらの意図とすることをしっかりと受け入れ、
反応を返してくれたことが、とても嬉しく感じました。




中学、高校になっていくと大学受験を徐々に意識していくため、

正しい答えを求め、周りの反応を意識し過ぎてしまいますが、
小学生の頃から、このように「自分らしくていいんだよ」という自信を身につけてもらうことが、
この子たちが今後、成長する上で、相手を認め、自分を誇りに思う、
そういう自己肯定感に結ぶついてくると感じております。


1時間いただいた講演時間でしたが、話は40分にとどめ、

20分は質疑応答でしたが、1年生から6年生まで、大変活発な挙手があり、
子供たちの能力は素晴らしいなと思いました。


子供たちに何かを教え込むのではなく、この子たちの能力を膨らませていけるよう、

教育現場というのは、良い部分を評価し、直していく部分や寄り添うように
語りかけることが大切ではないかと思っております。




そして、数日前にこの講演会の子供たちの感想が届きました。

ページびっしりに書かれた手書きの気持ちを拝見し、
改めて、子供たちから教わる大切なことがたくさんあるなと思ったのです。






その気持ちの一部をご紹介いたしますね。


○ぼくはこにいさんのどうぶつのはなしをきいたらどうぶつのかいぬしがいなくてころすなんてぼくにはできません。ぼくだったらかってあげたいぐらいかわいそうでした。(1年生)

○こにいさんのはなしをきいてどうぶつは人げんのなかまなんだときがつきました。いぬやねこはすてられたらきもちがずっとのこるんだなとおもいました。いぬもねこもちゃんときもちがあるんだとわかりました。うちはこにいさんといっしょでいぬやねこをかえないけれどどうぶつをこれからだいじにあつかいます。(1年生)





こにいさん、きょうは、いのちのことをおしえてくれてありがとうございました。ぼくんちはきんぎょも6ぴきのうち1ぴきだけがしっぽがきれていつも下にいます。けどがんばっていきてます。やっぱりいのちはたいせつということをまなびました。(2年生)


ぼくは、古新さんの話を聞いてぼくは、命のことをまなびました。あと動物たちは、このようなことをあじわっているんだなということをおぼえました。まず、犬とねこは、すきとかすきじゃないがあったけど古新さんは、すききらいなどそういうことでわなくできるだけかってあげたいと聞きぼくもいつかかわいそうな動物をかってみてみたいです。(3年生)

どうぶつのぎゃくたいの話をきいて、ぼくのおばあちゃんの家にも犬が3びきいるので、もし3びきの犬がみらいちゃんだったらとてもかなしいなと思い、一つ一つの命について大切に思いました。だからそういうかわいそうな犬を助けるためになにかしたいなと思いました。いま自分ができるのは、一つ一つの命を大切にするのがいいのかなと思いました。古新さんのおかげで考えることができました。(4年生)

古新さんのお話を聞いて、命の大切さ、命のステキな所がよく分かりました。一人一人が主人公という言葉が心にすごくひびきわたりました。動物も命の大切さに関して、とても心がうたれるお話を聞きました。動物も命があるから生きられる、人の手をくわえて生きられる。人間も人の手をくわえていきていけることが分かったし、わらえるから、それが人生なんだんと思ったし、古新さんの話を聞いていると、心の中がほっとしたようになりました。さいごのまとめで、人はまちがえていい、その言葉はいつまでも心に残っています。私はさいごすごくいっぱいはくしゅをしました。話がとても心にひびきわかっていて、ものすごく、楽しいような、なんだかすっきりしたかんじのようなこうえん会でした。さいごとても元気になりました。さいしょは、べつにいいでしょこんなの? と思った自分がはずかしくなるようなかんじで、さいご、この話を聞いてよかったと心と頭でかんじました。あくしゅをしたとき、ぜったいにあらいたくないと思うようなかんじで、とてもいいこうえんかいだったと思います。(4年生)



私は、今日、古新さんのお話を聞いて、命の大切さを知りました。次次と犬やねこが、亡くなっているのがとてもつらくて、しせつにあずめるなら、新しいかいぬしをさがせばいいのにと思いました。私は、犬をかっていて、いままでは、あまりさんぽへ行かないけれど、これからは、もっともっと、犬を大切にしていきたいと思いました。私は、古新さんの気持がとても分かりました。心に残りました。(5年生)

○私はこんなにひどい目にあった犬がいることをしりませんでした。なのでそれを、私達におしえてくださって私達になにかできることはないのだろうかと思わせてくれた古新さんはとてもすごいと思いました。私は、えいがかんとくのことはあまりしりませんでした。だけど、この講演会をとおしてたくさんしることができました。そして私は、えいがにはたくさんの人の気持ちや力があるのだなと思いました。そして、人は1人1人個性があるからいいのかなと思いました。(5年生)

○古新さんがいぬやねこをかってしまうと、一人になってしまうといっていて私は、飼いたいとよく言っていたけど、確かに飼っても、家で一人になってしまったかなしい思いをさせてしまうなら飼わないというのもいいなと思いました。あまり私は動物の事を考えたりしなかったけど、これからは、いぬやねこの気持ちを考えたいなと思いました。(6年生)



○古新さんの話をきいて、主に動物などの話があった。私は動物がもともと苦手で動物の気持ちなど考えたことはなかった。しかし、今回の話を聞いて動物は言葉が話せないということを改めて感じ、確かにそれは大変なことで、自分が明日から言葉を話しなと言われるようなことで気持ちを表すことは大切だと思った。また、命の大切さも学んだ。命がないとなにもできないという当たり前のことだが、だからこそ大切だと思った。(6年生)



             *



子供たちがどのような視点で小生の講演に耳を傾け、自分なりに感じたか、感想を拝見して、とても分かりました。
犬を飼っているから関係ある、飼っていないから関係ない、ではなく、
双方の視点から、この問題を感じ、考え、自分の生活に持ち帰ってもらえる気持ちが伝わる感想に、
この活動を続けていて、心より良かったと思えました。


小生もまだまだ沢山のことを吸収して、全国各地にこの気持ちを届けたいと思っております!

全国の皆様にお会いできることを、心より楽しみにしております。


講演の詳細はこちらをご覧ください。







聖徳学園「シネマ・アクティブ・ラーニング」聖徳映画祭

謹んで新年のご挨拶申し上げます。
本年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。

年末年始は、ものすごい勢いで過ぎ去り、新年のご挨拶回りが続き、
本日少し落ち着いてデスクワークをしております。

昨年の12月13日は、聖徳学園にて10週にわたって開催させていただきました
「シネマ・アクティブ・ラーニング」の成果発表として、映画祭が行われました。

学内のかえでホールにて、親御さんと各クラスの担任の先生を集めての映画祭

中学1年生の3クラスが5チームずつ、計15チームが15作品を
上映会だけではなく、プレゼンテーションと共に発表をするという形態を
担当の横濱先生と共に考えました。

当日、2作品がデータが消えてしまったり、トラブルで発表ができない状況でしたが、
それでも、どんな作品を作ろうとしたか、どんなことを頑張ったのかを
みなさんの前で発表をしてもらうことになりました。

このことは、とても大切な経験だと思っております。
いろいろなトラブルがあって、成果物がお披露目できなくても、
それをちゃんと相手に伝える姿勢と踏み出す勇気は、
社会において、大変必要な素養だと思っております。

そして、一人ではなく、チーム全員でプレゼンをするということは、
誰かのせいではなく、みんなでそれを乗り越えようという気持ちにつながると思っており、
この「失敗をしても良い」という感覚をこの講座では、とても大切にしております。

各クラス、10週拝見して参りましたが、
とても特徴的で、それぞれのクラスの特徴がよく出ている作品だなと思いました。

今回は、授業内の制作時間の約120分を基本に、あとは、自主的に放課後や休日を
活用して作品作りを行ってもらいました。

「チャレンジ」をテーマに3分程度の作品を制作してもらいましたが、
イラストを描いたり、実写との合成にチャレンジしたり、
様々な作品ができていたことがとても嬉しく感じました。

今回は完成直前の細かいアドバイスはできなかったのですが、
みなさん試行錯誤されながら、自分たちで探してきたアプリを駆使して
作業されていて、素晴らしいなと思いました。

その中でも、とても嬉しかったことは、

とあるクラスのチームは、メンバー同士の意思疎通があまりよくできておらず、
直前まで撮影が行えなかったのですが、
引っ込み思案だった学生さんが、出演者として作品に登場して、
懸命に演技表現をされ、みんなで作品をしっかりと完成されていたことでした。

自分の苦手な部分を仲間と一緒に克服して、最後までやり遂げることが、
講師としては、何より嬉しく感じました。

最優秀賞を受賞した「CHANGE」という作品は、
物語の構成や演出、音楽やテンポ感など、大変素晴らしく、
小生が伝えたことをしっかりと踏まえて作られており、
会場も大盛り上がりで、大変感動をいたしました。

等身大のクラスメイト同士の恋模様を描いた作品でした!

何より嬉しかったことは、作品の中に盛り込んだ人物の設定が
中学一年生なら、恥ずかしいとか、人目を気にすると思われそうなことを
しっかりとアピールしていたことでした。

周りの評価ではなく、しっかりと自分たちの感じたことを表現し、
若々しいフレッシュな感性を思い切り表現されたことでした。

大人になるにつれて、外部の評価や周囲の視線を気にしてしまいがちですが、
大切なことは、自分たちがこれを伝えたい、これでいいんだという
自己肯定感をいかに備えられるかと思っております。

白熱した審査中の伊藤校長先生と横濱先生、小生と当社松本
審査委員長として学生さんより花束をいただきました
伊藤校長先生より授かった感謝状

映画祭は2時間半でしたが、学校の先生方からは、1日まるまるやりたいですね!
と貴重なご感想を賜りました。

中学一年生の彼らが、こうしてチーム一丸となり、最後まで作品を完成させて、
みんなでクラスメイトの作品を見て、自分たちを振り返ることができる
この体験は、プロジェクトベースラーニングとして、
とても有用なプログラムだと考えております。

学生さんのみならず、社会人や地域の方々に向けても積極的にご提供して参りたく、
「シネマ・アクティブ・ラーニング」のHPを、ぜひご覧いただきたいと思っております。

聖徳学園の本講座を受講された学生さんたちの、益々のご成長を心よりお祈りしております!