11月 2016Archives

武蔵境・聖徳学園「シネマ・アクティブ・ラーニング」第7週〜第10週(最終週)

聖徳学園中学にて10週にわたり開催させていただいております
「シネマ・アクティブ・ラーニング」第7週~第10週最終週までのレポートです。

前回記述しました通り、「主体的かつ創造的な学び」の習得は、この相関関係が大切であると考えております

【第7週:第1週〜第6週の振り返り、鑑賞理解力&物語発見力WS】
7週目は振り返りを行い、今まで学んだことの再確認を行いました。

今まで小生の作品を学生さんたちに観てもらっていなかったので、
洗濯機は僕らを回す」を鑑賞頂き、学生さんたちのニヤける表情豊かな顔を
拝見できたことは、とても嬉しく感じました。

Apple TVとAir Playのおかげで無線で映像を流せることは、
本当に便利になったなと思っております。

映画祭のテーマである「チャレンジ」を元に

アイデア創出ワークと三幕構成制作を行ってもらいました。

クラスによって、雰囲気がまちまち。
中間考査、学園祭後ということもあり、
仲間意識がクラスによっててんでバラバラで、
個が強いクラス、個性があり対立があるクラス、チーム力があるクラスと、
顕著に分かれていていたのが、
改めてクラスの雰囲気は担任の方のご姿勢や、
運営方法で変わるものでもあるのかなと感じずにはいられませんでした。

【第8週:映画祭用作品制作ACT1】

8週目以降は、それぞれで作品制作開始。
事前にどんな手法でどの役割をやりたいかを調査し、常勤の先生方に割り振りして
頂きました。

【3つの手法】
・実写映像 ・クレイアニメ ・プログラミング
【役割】
・監督 ・脚本 ・撮影 ・俳優 ・小道具、美術制作

すぐに取り組める組もあれば、試行錯誤しながら遊びだすクラス、
綿密に計画を立てて慎重になるクラスと特徴に分かれました。
この取り組みで行っていることは、失敗をたくさん経験していい授業ということです。

一つの正解がないからこそ、チームで試行錯誤をしながら、あきらめずに作品を完成させる過程に重きと成長を置いております。

クラスの日頃の状況は、常勤の先生から背景や応対策をしっかりと相談し、
できるだけ放任しながら、良い関係性になるのをじっと見守ることを行いました。

トークノートというアプリを使い、学生と先生、小生が
作品制作のやり取りや疑問点、事前準備のすり合わせなどを
スマホで管理していることも大きな特徴となりました。

【第9週:映画祭用作品制作ACT2】

9週目、プロジェクトが進行し、
だいぶ順調に進んできているチームが多々見受けられてきましたが、

とあるチームは仲違い、とあるチームはメンバーが2名いないという状況

そんな状況の中、諦めようとする彼らに促すことは、
今ここでどんな行動を取ることが大切なのか? ということ。

いろいろと試行作日した結果、仲間を呼び戻し、お互いに頑張ろうという発想を
確認してもらったことでした。

チームを解体して、別れさせることは簡単ですが、
何より大切なことは、相手の存在を受け入れ、
すぐにめげずに交渉や解決に向けて動いていく姿勢だと思っております。

作品制作は、順当なことばかりではありません。

撮影場所がかぶればお互いに折衝をしなければなりません。

相手の存在を認めながら、自分がこの場において何ができるのかを
考える習慣づけを促したのです。

ですので、小生も一緒に授業をしている教師とも、
 何か答えを導くことはしないように努めております。

傾聴し、質問を投げかけ、途中までの成果を讃える。

遊んでいる生徒がいたら、怒ったりは勿論せず、それでいいの? と投げかける。

学生は、いいもん、俺の役割はまだだから、と答えたりするのですが、
そのうち気づくのです。自分が何かをやらなければいけないという瞬間を。


【授業進行で大切にしていること】
・具体的な指示を伝えない
・順調? どこまでできてる? と経過を確認する
・困っているチームには、何が問題? と尋ねる


あくまで、黒子の立ち位置であることを徹底することを心がけております。

良い意味で放任をしながら、自主性、主体性が芽生える瞬間をじっと待つことが、
私たちの責務であるのかなと思っております。

この週から、桜丘中学・高校から聖徳学園に赴任された教育ICTの先駆者の
品田健先生と校舎でバッタリ!!

品田先生、早速学生さんたちの様子をiPhoneで撮影!
さすがの行動力です!

【第10週:映画祭用作品制作ACT3】

最終週は、たくさんの方々に見学に来ていただく中で、
不仲のチームも連携を取り、具体的な撮影を行いだしました。
不機嫌なリーダーのいるグループも打開するために小さなアクションを進めていきました。
こうして、試行錯誤しながらも、
最後はしっかりと進んで作品と向き合おうとされる姿を見て、
子供たちの才能を大人はそっと見守り、支え、特にヒントを与えることが大切である
ことを再確認したのでした。

殺し屋の役をやることもいれば、
絵がとても上手でクレイアニメと組み合わせるチームなど、
様々なドラマが生まれていき、
それを客観的に見ている小生と学校の先生方は、
見守ることの大切さ、傾聴し、尋ねることの重要さを
改めて実感することになったのでした。

群馬から見学にきた中学生と付き添いの先生も、
この光景を見て、とてもびっくりされたようでした。

こうして、学校間を越えて、学びの楽しさ、発想の仕方、
お互いの取り組みの面白さを共有していき、広がっていくことが、
教育現場にどんどん浸透していくことと信じております。

12月13日(火)は、この中学一年生が作った作品15作品の上映を
映画祭という形で行います。
ご関心、ご見学されたい方は、info[@]cosmobox.jp       *[ ]を外してください
までご連絡くださいませ。

広島城北中学「シネマ・アクティブ・ラーニング」

先週は、小生が登壇させて頂いた「アクティブ・ラーニング・フォーラムVol.2」を
ご受講下さいました広島城北中学の中川教頭先生のご縁で
「シネマ・アクティブ・ラーニング」を開催させて頂きました。
中川教頭先生、学年主任の黒瀬先生には、心より感謝を申し上げます。

中学校の男子学生さん220名ということで、小生も母校が男子校、
とても懐かしい感覚でした。

とても広くて素晴らしい校舎でした!
設立からまだ50年ちょっとと伺いビックリ致しました。

4月に出来たばかりのホールがメイン会場となりました。
後方部が座席で、前方が動き回れるステージ的な空間となっており、
これはスゴイ!! と思わず、目を丸く致しました。

午前最初のワークは「鑑賞理解力ワークショップ」から行いました。
最初は何が始まるんだという雰囲気から、皆さん徐々にのめり込んでくださり、
積極的に発言していきたいというグループがドンドン出てまいりました。

印象としては、飲み込みがとても早い学生さんたちだなという印象でした。
今回は、クラスをまたいで40近くのグループに分かれてもらいましたが、
学生さん同士の雰囲気も、明るく、雰囲気はとても良かったです。

小生も学生さんたちの熱心なまなざしに、トークも次第に
熱を帯びてまいりました。

「物語発見力ワークショップ」では、秋ということで「発見」をテーマに
物語を作ってもらいました。

グループによってもアイデアにかなりばらつきがあったため、
ワールドカフェ形式で他のグループとの知的交配を促しました。

最終的には、とても魅力的な構成の物語となり、
さすが、日頃から国語力や論理力が鍛えられているんだなという感触を覚えました。

午前最後のワークは、「演技表現力ワークショップ」です。
このワークは、皆さん、かなり驚かれたみたいで、
周りの視線が気になったり、誰かと一緒の行動をしたり、
左脳が鍛えられている方々は、反面右脳のこの部分が不得手なんだなということを
改めて感じました。
限られた時間ではありましたが、ムードメーカーの二人の学生さんに促されるように
ポジティブかつアクティブになっていかれる様子が、なんとも嬉しく感じました。

なんとなく自己表現って照れくさいな、という雰囲気。
この時代、自己表現こそ、大切なスキルだと感じております。

お昼休憩を挟み、午後は午前のグループ40チームが分かれて
75分程度で1分程度のショートフィルム制作に向き合ってもらいました。

広い校舎を使って、各々のチーム様々なアイデアで思考を巡らして
制作に向き合ってもらいました。
完成した上映は、時間の関係で5チームだけとなってしまいましたが、
発表してくれたそれぞれのチーム個性的で、しかも面白い!

演出、構成、カメラワーク、それぞれが限られた時間の中で工夫しながら
作品を完成させて、勇気を持って発表をする姿はなんとも感動的でした。

いつも思うのですが、子供たちの才能や感性は大人を凌駕するものだと思っております。

自分たちの作った作品を仲間に観てもらい評価を受ける。
その感想がダイレクトな表情で返ってくる。
このリアルタイムなコミュニケーションこそ、
iPadやデジタルが普及したからこそできる自己表現、他者理解を
直感的に受け入れることができるものと感じております。

1日を通じて行った「シネマ・アクティブ・ラーニング」
学生さんたちが、自分たちに何ができるのか、
仲間に向けて何を貢献できるのか、
そして失敗することもチャレンジであり、大きな成長の一歩であることを
感じ取ってもらえた時間ではないかと思っております。

夜は、本講座をご見学下さいました担任の先生方とのお夕飯でしたが、
貴重なご感想をたくさん賜り、とても盛り上がりました。

特にベテランの50代の先生方がご評価くださり、
「感動を授業に盛り込むことの大切さ」
「学生さんが生き生きと課題に取り組む際の促し方に感動しました」
とお褒めの言葉を沢山賜りましたこと、とても光栄に思いました。

映画がこんなにも教育と密接であることに感化されたとのお言葉が
本当に嬉しくて、小生が行いたかった
学生さんの成長の姿を観て、先生方がマインドセットされていくという
狙いが今回行えましたこと、とても嬉しく感じております。

ここで感じるのは、学ぶにも「ハレ」と「ケ」の存在があるということです。

小生は長らく、予備校講師をやっていたので、
当時のことと、今の自分を比較するとこんな感じです。

大切なことは、双方の機会を創出することだと思っております。
いかにして、学生さんたちが「学びは面白い」「ためになる」と思える内容を
提供できるか?

そのためには、教える側が感動を体感して、
自分なりの教授法に感動を盛り込めるかだと思っております。

「教科書とは与えるものではなく、自分で作り出すもの」
が小生の持論です。

今は、小生は全国各地で講演会やアクティブ・ラーニングワークショップを
行っておりますが、
やりたいことは、自分も成長して、その瞬間に感じたことを
皆さんにライブでおすそ分けする。
実はそれこそが、教育現場における教室である
という考えを伝えたいというミッションを持っているからなのです。

一昨日は、東北工業大学さんで特別講義をさせて頂きました。
今週は、京都・大阪に参ります!
来週は、都内で講演会です!

どんな方々に出会えるか、今からとてもワクワクしております!

板書は取らなくてもいい

社会人大学院のデジタルハリウッド大学院でやっていたことは、
授業のレジュメはほとんどpdfで頂けるので、
おいらは何をやっていたかというと、
ひたすら教師の授業の構成の仕方、話し方、癖、特徴を書いてました。

冒頭は、何を話して、その後、何人でグループワークをさせて、
どんな振り返りをして、どんな緩急をつけているか。

メモを取る情報とは、紙や映像に記録されていない
自分しか感じることができないことをメモに取るのが良い。