2016Archives

武蔵境・聖徳学園「シネマ・アクティブ・ラーニング」第7週〜第10週(最終週)

聖徳学園中学にて10週にわたり開催させていただいております
「シネマ・アクティブ・ラーニング」第7週~第10週最終週までのレポートです。

前回記述しました通り、「主体的かつ創造的な学び」の習得は、この相関関係が大切であると考えております

【第7週:第1週〜第6週の振り返り、鑑賞理解力&物語発見力WS】
7週目は振り返りを行い、今まで学んだことの再確認を行いました。

今まで小生の作品を学生さんたちに観てもらっていなかったので、
洗濯機は僕らを回す」を鑑賞頂き、学生さんたちのニヤける表情豊かな顔を
拝見できたことは、とても嬉しく感じました。

Apple TVとAir Playのおかげで無線で映像を流せることは、
本当に便利になったなと思っております。

映画祭のテーマである「チャレンジ」を元に

アイデア創出ワークと三幕構成制作を行ってもらいました。

クラスによって、雰囲気がまちまち。
中間考査、学園祭後ということもあり、
仲間意識がクラスによっててんでバラバラで、
個が強いクラス、個性があり対立があるクラス、チーム力があるクラスと、
顕著に分かれていていたのが、
改めてクラスの雰囲気は担任の方のご姿勢や、
運営方法で変わるものでもあるのかなと感じずにはいられませんでした。

【第8週:映画祭用作品制作ACT1】

8週目以降は、それぞれで作品制作開始。
事前にどんな手法でどの役割をやりたいかを調査し、常勤の先生方に割り振りして
頂きました。

【3つの手法】
・実写映像 ・クレイアニメ ・プログラミング
【役割】
・監督 ・脚本 ・撮影 ・俳優 ・小道具、美術制作

すぐに取り組める組もあれば、試行錯誤しながら遊びだすクラス、
綿密に計画を立てて慎重になるクラスと特徴に分かれました。
この取り組みで行っていることは、失敗をたくさん経験していい授業ということです。

一つの正解がないからこそ、チームで試行錯誤をしながら、あきらめずに作品を完成させる過程に重きと成長を置いております。

クラスの日頃の状況は、常勤の先生から背景や応対策をしっかりと相談し、
できるだけ放任しながら、良い関係性になるのをじっと見守ることを行いました。

トークノートというアプリを使い、学生と先生、小生が
作品制作のやり取りや疑問点、事前準備のすり合わせなどを
スマホで管理していることも大きな特徴となりました。

【第9週:映画祭用作品制作ACT2】

9週目、プロジェクトが進行し、
だいぶ順調に進んできているチームが多々見受けられてきましたが、

とあるチームは仲違い、とあるチームはメンバーが2名いないという状況

そんな状況の中、諦めようとする彼らに促すことは、
今ここでどんな行動を取ることが大切なのか? ということ。

いろいろと試行作日した結果、仲間を呼び戻し、お互いに頑張ろうという発想を
確認してもらったことでした。

チームを解体して、別れさせることは簡単ですが、
何より大切なことは、相手の存在を受け入れ、
すぐにめげずに交渉や解決に向けて動いていく姿勢だと思っております。

作品制作は、順当なことばかりではありません。

撮影場所がかぶればお互いに折衝をしなければなりません。

相手の存在を認めながら、自分がこの場において何ができるのかを
考える習慣づけを促したのです。

ですので、小生も一緒に授業をしている教師とも、
 何か答えを導くことはしないように努めております。

傾聴し、質問を投げかけ、途中までの成果を讃える。

遊んでいる生徒がいたら、怒ったりは勿論せず、それでいいの? と投げかける。

学生は、いいもん、俺の役割はまだだから、と答えたりするのですが、
そのうち気づくのです。自分が何かをやらなければいけないという瞬間を。


【授業進行で大切にしていること】
・具体的な指示を伝えない
・順調? どこまでできてる? と経過を確認する
・困っているチームには、何が問題? と尋ねる


あくまで、黒子の立ち位置であることを徹底することを心がけております。

良い意味で放任をしながら、自主性、主体性が芽生える瞬間をじっと待つことが、
私たちの責務であるのかなと思っております。

この週から、桜丘中学・高校から聖徳学園に赴任された教育ICTの先駆者の
品田健先生と校舎でバッタリ!!

品田先生、早速学生さんたちの様子をiPhoneで撮影!
さすがの行動力です!

【第10週:映画祭用作品制作ACT3】

最終週は、たくさんの方々に見学に来ていただく中で、
不仲のチームも連携を取り、具体的な撮影を行いだしました。
不機嫌なリーダーのいるグループも打開するために小さなアクションを進めていきました。
こうして、試行錯誤しながらも、
最後はしっかりと進んで作品と向き合おうとされる姿を見て、
子供たちの才能を大人はそっと見守り、支え、特にヒントを与えることが大切である
ことを再確認したのでした。

殺し屋の役をやることもいれば、
絵がとても上手でクレイアニメと組み合わせるチームなど、
様々なドラマが生まれていき、
それを客観的に見ている小生と学校の先生方は、
見守ることの大切さ、傾聴し、尋ねることの重要さを
改めて実感することになったのでした。

群馬から見学にきた中学生と付き添いの先生も、
この光景を見て、とてもびっくりされたようでした。

こうして、学校間を越えて、学びの楽しさ、発想の仕方、
お互いの取り組みの面白さを共有していき、広がっていくことが、
教育現場にどんどん浸透していくことと信じております。

12月13日(火)は、この中学一年生が作った作品15作品の上映を
映画祭という形で行います。
ご関心、ご見学されたい方は、info[@]cosmobox.jp       *[ ]を外してください
までご連絡くださいませ。

広島城北中学「シネマ・アクティブ・ラーニング」

先週は、小生が登壇させて頂いた「アクティブ・ラーニング・フォーラムVol.2」を
ご受講下さいました広島城北中学の中川教頭先生のご縁で
「シネマ・アクティブ・ラーニング」を開催させて頂きました。
中川教頭先生、学年主任の黒瀬先生には、心より感謝を申し上げます。

中学校の男子学生さん220名ということで、小生も母校が男子校、
とても懐かしい感覚でした。

とても広くて素晴らしい校舎でした!
設立からまだ50年ちょっとと伺いビックリ致しました。

4月に出来たばかりのホールがメイン会場となりました。
後方部が座席で、前方が動き回れるステージ的な空間となっており、
これはスゴイ!! と思わず、目を丸く致しました。

午前最初のワークは「鑑賞理解力ワークショップ」から行いました。
最初は何が始まるんだという雰囲気から、皆さん徐々にのめり込んでくださり、
積極的に発言していきたいというグループがドンドン出てまいりました。

印象としては、飲み込みがとても早い学生さんたちだなという印象でした。
今回は、クラスをまたいで40近くのグループに分かれてもらいましたが、
学生さん同士の雰囲気も、明るく、雰囲気はとても良かったです。

小生も学生さんたちの熱心なまなざしに、トークも次第に
熱を帯びてまいりました。

「物語発見力ワークショップ」では、秋ということで「発見」をテーマに
物語を作ってもらいました。

グループによってもアイデアにかなりばらつきがあったため、
ワールドカフェ形式で他のグループとの知的交配を促しました。

最終的には、とても魅力的な構成の物語となり、
さすが、日頃から国語力や論理力が鍛えられているんだなという感触を覚えました。

午前最後のワークは、「演技表現力ワークショップ」です。
このワークは、皆さん、かなり驚かれたみたいで、
周りの視線が気になったり、誰かと一緒の行動をしたり、
左脳が鍛えられている方々は、反面右脳のこの部分が不得手なんだなということを
改めて感じました。
限られた時間ではありましたが、ムードメーカーの二人の学生さんに促されるように
ポジティブかつアクティブになっていかれる様子が、なんとも嬉しく感じました。

なんとなく自己表現って照れくさいな、という雰囲気。
この時代、自己表現こそ、大切なスキルだと感じております。

お昼休憩を挟み、午後は午前のグループ40チームが分かれて
75分程度で1分程度のショートフィルム制作に向き合ってもらいました。

広い校舎を使って、各々のチーム様々なアイデアで思考を巡らして
制作に向き合ってもらいました。
完成した上映は、時間の関係で5チームだけとなってしまいましたが、
発表してくれたそれぞれのチーム個性的で、しかも面白い!

演出、構成、カメラワーク、それぞれが限られた時間の中で工夫しながら
作品を完成させて、勇気を持って発表をする姿はなんとも感動的でした。

いつも思うのですが、子供たちの才能や感性は大人を凌駕するものだと思っております。

自分たちの作った作品を仲間に観てもらい評価を受ける。
その感想がダイレクトな表情で返ってくる。
このリアルタイムなコミュニケーションこそ、
iPadやデジタルが普及したからこそできる自己表現、他者理解を
直感的に受け入れることができるものと感じております。

1日を通じて行った「シネマ・アクティブ・ラーニング」
学生さんたちが、自分たちに何ができるのか、
仲間に向けて何を貢献できるのか、
そして失敗することもチャレンジであり、大きな成長の一歩であることを
感じ取ってもらえた時間ではないかと思っております。

夜は、本講座をご見学下さいました担任の先生方とのお夕飯でしたが、
貴重なご感想をたくさん賜り、とても盛り上がりました。

特にベテランの50代の先生方がご評価くださり、
「感動を授業に盛り込むことの大切さ」
「学生さんが生き生きと課題に取り組む際の促し方に感動しました」
とお褒めの言葉を沢山賜りましたこと、とても光栄に思いました。

映画がこんなにも教育と密接であることに感化されたとのお言葉が
本当に嬉しくて、小生が行いたかった
学生さんの成長の姿を観て、先生方がマインドセットされていくという
狙いが今回行えましたこと、とても嬉しく感じております。

ここで感じるのは、学ぶにも「ハレ」と「ケ」の存在があるということです。

小生は長らく、予備校講師をやっていたので、
当時のことと、今の自分を比較するとこんな感じです。

大切なことは、双方の機会を創出することだと思っております。
いかにして、学生さんたちが「学びは面白い」「ためになる」と思える内容を
提供できるか?

そのためには、教える側が感動を体感して、
自分なりの教授法に感動を盛り込めるかだと思っております。

「教科書とは与えるものではなく、自分で作り出すもの」
が小生の持論です。

今は、小生は全国各地で講演会やアクティブ・ラーニングワークショップを
行っておりますが、
やりたいことは、自分も成長して、その瞬間に感じたことを
皆さんにライブでおすそ分けする。
実はそれこそが、教育現場における教室である
という考えを伝えたいというミッションを持っているからなのです。

一昨日は、東北工業大学さんで特別講義をさせて頂きました。
今週は、京都・大阪に参ります!
来週は、都内で講演会です!

どんな方々に出会えるか、今からとてもワクワクしております!

板書は取らなくてもいい

社会人大学院のデジタルハリウッド大学院でやっていたことは、
授業のレジュメはほとんどpdfで頂けるので、
おいらは何をやっていたかというと、
ひたすら教師の授業の構成の仕方、話し方、癖、特徴を書いてました。

冒頭は、何を話して、その後、何人でグループワークをさせて、
どんな振り返りをして、どんな緩急をつけているか。

メモを取る情報とは、紙や映像に記録されていない
自分しか感じることができないことをメモに取るのが良い。

武蔵境・聖徳学園「シネマ・アクティブ・ラーニング」第4週〜第6週

※前回のブログ「武蔵境・聖徳学園「シネマ・アクティブ・ラーニング」第1週〜第3週」から繋がっております。

聖徳学園中学校で全10週にわたって担当させて頂いております
ICT×アクティブ・ラーニング×映画
「シネマ・アクティブ・ラーニング」いよいよiPadを用いた
制作実現力ワークショップに入りました。

今回、大変貴重に感じておりますことは、
中学1年生に向けて、映画制作の各段階を踏むことで
社会人基礎力・コミュニケーション能力をバランス良く向上させられることを
小生以外の先生方も含めて、体感し、実感をしていただける機会を授かったことです。

ご尽力頂いております伊藤校長先生、横濱先生、鶴岡先生に心より感謝致したく思います。

今回始めて中学一年生という対象と向き合っておりますが、
大切なことは、「こと細かく指示を出してあげること」だと思っております。

高校生以上であれば、「物を置いてください」「集まってください」
という内容でも自主的に判断をして行動をすると思いますが、
子供たちは、まず「どこに置くの?」「なんで集まるの?」
という思考が働くようです。

そこで、「壁際の下に紙を置いてください」
「これからボールでゲームをするから等間隔にお隣と離れて集まってください」
など細かく指示をするように心がけるようになりました。

これは、当社における若いスタッフにも行っていることで、
自分の感覚では分かるだろうが、通じない時には、
相手の目線に立ってあげられる心のゆとりが大切だなと感じております。

【第4週:制作実現力(実写映像制作)】

前回のブログ、同様、各クラスの雰囲気・様子を踏まえて
お話ししていきたいと思います。

本校は、1組、2組、3組ですが、あえてA組、B組、C組と表現させて頂きます。
それぞれのクラスの特徴は、

A組:クラスの全体で仲良く、ちゃんと相手の意見を聴けるクラス
B組:学力が高く、個々の考える力が長けているクラス
C組:表現する力に長けていて、チームの連携というよりも思った感情をぶつけるクラス

この週は、iPadを使って1分のショートフィルムを完成してもらいました。
50分という授業の中でどこまでできるのかが、
難しいかなというのが最初の予想でした。

最初の10分はガイダンスと今までのおさらい
その後の5分は物語発見力ワークで行った三幕構成理論を使ったストーリー制作
そこから25分で撮影に行ってもらい、最後の10分で鑑賞会という流れに致しました。

テーアは「友達」に致しました。

今回はチーム分けを行ったのですが、時間も限られていることもあり、
2分の中でチーム分けできたらOK。
できなければ、先生がランダムで決まるという方法を取りました。

B組は、個々の学力が高いものの、チームで素早く集まるなどが苦手なクラス。
このクラスでは、時間に間に合わず先生が決めることとなりましたが、
チーム力の高いA組では、「ここは多いから、そっちのチームに移動」
などと声を掛け合いながら
連携をしていた姿がとても素晴らしかったと思います。

チーム分けが終わり、5分間という短かい時間で物語を作ってもらったのですが、
みなさん、前々回学んだことをしっかりと学んでくださっており、
短時間で上手にストーリーを組み立てていたと思います。

5グループ5、6名に分けて実習を行いました。
3種類の動画を撮影してきてもらうのですが、
監督として指示を出したり、キャメラマンになって構図をこだわったり、
俳優として演技に専念したりと個性が大変よく出ていて、
どのクラスも大盛り上がりでした。

その中の特徴としては、
A組は役割分担の段階で、誰がどれをやるかをこだわったり
B組は何度もテスト撮影を行ってこだわったり
していてなかなか時間内に収まりませんでしたが、

C組はこちらが想像していた以上にチームで連携をとりながら、
撮影中もこうしよう、ああしようと組み立てて
時間内に面白い映像を完成させました。

あるクラスでは、ジャンプカットを使ったり、
真っ暗にして声だけを当てたり、
チャイムの音を探してきたりと、
様々な創意工夫をされているチームが多々あり、
こちらも目を丸くしておりました。

先生方も大盛り上がりで、学生さんに混じって
作品作りに参加されている様子はなんとも微笑ましい光景でした。

女性の大人しめな先生が、とても張り切って
「時間がないわ」などと声を学生さんにかけている姿も拝見し、
教師と学生が共に物を作ることで関係性がより深くつながれることを実感致しました。

そして、発表タイム。

短時間で名演技を表現していると共に、
何より驚いたのは、編集ソフトを使わずに、ロイロノートを学生さんたちが
自分で考えて、映像の編集ソフトとして活用されていたことです。

iMovieを教えていないので、1カットずつ
バラバラで投影させるかと思いきや、自分たちでアプリを工夫していたところは
大変驚きました。

また、本学はApple TVが完備されているため、
ワイヤレスで即時的なiPadの発表ができたことも大きかったです。

【第5週:制作実現力(クレイアニメ)】

この週は、ストップモーションスタジオというアプリを使って、
クレイアニメを作ってもらいました。

チェコのヤンシュヴァンクマイエルや小生が2年前に行った小学生の
ワークショップで見事映画祭でグランプリを獲った作品などを紹介して、
クレイアニメの世界観の面白さをチームで体感していただきました。

テーマは「落し物」にしましたが、みなさん様々な落し物の物語を
作れたみたいです。
クラスによっては、時間内に何を作るかを先に決めると
作業が進みやすいクラスもあり、
撮影よりも創作に力を入れるクラスや、立体的に作っているチームなど
様々でしたが、時間内に撮影できなかったり、うまく造形ができなかった
失敗も彼らにとってはとても大切な経験なんだろうなと思いました。

一コマ一コマを撮影して映像に仕立てるわけですが、
粘土造形に夢中になる子もいれば、機材のセッティングに関心のある子、
様々で、粘土を作らない子は撮影の準備しましょう、というように
それぞれが分担をしながら、時間内に作業をさせてあげることも
大変有益なワークに思えました。

この週では、A組とB組がよくできていたように感じます。
C組は、粘土の造形とアニメーション、それを撮影していくという
細かい一つ一つの作業がまだ苦手のようで、
その点、A組はお互いの得手不得手を双方で見ながら連携を取っており、
B組は完成系に向けて作業をしっかりとこなしておりました。

作品の完成度としては、B組がやはりストーリーとしては
しっかりしていたかなという印象です。

【第6週:制作実現力(プログラミング)】


この週は、Scratch.Jrというアプリを使ってショートフィルムを作ってもらいました。
久々に個人でのワークで1クラス約30名の学生さんたちが個々の想像力を働かせて
映画を作ってもらいました。

お題は「探す」に致しました。

アプリに入っている背景画像やキャラクターを用いて
ストーリーを作ってもらいます。
その上で、キャラクターを動かす指示をアイコンでつなげていき、
飛んだり、走ったり、回転したりしながら、
物語を組み立ててもらいました。

最後のオチまでしっかりとできている方もいれば
ストーリーの起伏がつけられなかった方など、
まちまちでしたが、与えられた素材の中をどのように調理をするか、
アニメーションにこだわる人もいれば、
キャラクターの造形に凝る人もいたりして、
多種多様の作品が生まれ、大変面白い回となりました。

プログラミングも、同じ「命令」を連続させている学生が多くいて、
例えば右に10コマ動くを、右に1コマ動く命令を10回させていたりしていたので、
如何にシンプルに命令をさせるかを一人一人回りながら伝えていきました。

斜めに動かすにはどうするの?
跳ねさせるにはどうするの?
消えるにはどうするの?

と言ったたくさんの疑問が出てくるので、
答えをすぐに伝えるのではなく、
斜めって何と何を同時に命令すると斜めになるかな?
とヒントを与えながら、考えさせる練習をさせております。

この授業では、点数を付ける評価はないため、
毎週、毎週、教師同士で授業前後で打ち合わせをして、
各学生、各クラスがどのように変化、成長を遂げたかを大切してく
構成を組み立てております。

4週〜6週にわたり、実習を進めることで、
1週〜3週で分かれていた評価がだいぶ変わってまいりました。

プログラミングは、学力の高いB組が映画的に面白い作品を作っておりましたが、
チームで力を合わせるワークだと、
A組やC組がオリジナリティ溢れる作品を生み出していたことに驚きを覚えました。

ここで改めて気づいたことは、チームで力を合わせた時に、
不得手だと思われていた能力が自然と引き伸ばされるということです。

ここにアクティブラーニングの定義となっている
「主体的で対話的な深い学び」が含まれていると感じるわけです。

主体的=自ら参加し、自分ごととしてプロジェクトを推進させる力
対話的=相手の良さ、不得手を認め、補い合う助け合い精神
深い学び=答えが一つに決まらない問いの中、自分なりの解釈で見解を導いていく姿勢


だと思うわけです。

物事を完成させるのが苦手だろうと思っていたクラスが
チームワークと体験を織り交ぜることで、
論理力、理解力、構成力が断然伸びていったことが、大きな気づきであり、
教える側の喜びでもありました。

チームとしてまとまりがなかったクラスが、
大変素晴らしいチーム力を発揮したり、役割をそれぞれが分担をすることで、
双方で助け合いの精神が生まれてきました。

ちょうど先週に中野のNAS番外編で「ワークショップの進め方
セミナーに登壇した際に、一緒に登壇した
ワークショップデザイナーの小笠原祐司さんが紹介されていた
「場作り、プログラム、ファシリテーションの学び方」
で使われていた図を応用しますと、
「主体的かつ創造的な学びの生み出し方」はこんな風に
【INPUT】【体験】【実践】【振り返り】
をうまく相互でミックスしてあげる発想が大切だと思っております。

今回の10週も必然的にこの考え、相関関係が成り立ち、
3週ごとに【INPUT】【体験】【実践】を行い
適宜【振り返り】を挟み込む構成にしております。

次回からは、【振り返り】を1週挟んで、
【実践】である映画祭に向けての作品制作の段階になります。

ぜひ、見学などご希望されたい方は、
info[@]cosmobox.jp([ ]を外してください)までご連絡ください。
聖徳学園にお取り次ぎさせて頂きます。

【御礼】映画「あまのがわ」クラウドファンディング目標達成いたしました

8月10日より呼びかけさせていただいておりました
次回作「あまのがわ」のクラウドファンディングが
お陰様で無事、終了を致しました。

目標額を上回る111%の1,6777,777円という
数字並びの大変綺麗な金額に到達することとなりました。

今回のクラウドファンディングで、昔からのお付き合いの方、
最近知り合った方、属性も教育、動物愛護、福祉、地方創生など、
お仕事仲間からプライベートまで様々な方々にご支援、ご賛同を頂き、
皆様お一人お一人の気持ちとともに、その繋がりや温かさが何より嬉しく感じる
体験となりました。

4回のクラウドファンディングを開催して、
最初の2回は未達、後の2回は達成という結果を踏まえて、
忘備録的に感じたことをまとめてみたいと思います。

感じていることは、如何にして関心から参加の段階に
応援者を巻き込んでいけるかが大切だと感じております。

ここで大切なことは、顔を見せて対話する機会を作るということだと思いました。
今回は、オンライン教育プロデューサーの田原真人さんと
OriHime開発者の吉藤健太朗さんのお二方のご縁より、
そのような機会を授かることができました。

田原さんからはZOOMによる、吉藤氏とのトークイベントを開催させて頂きました。
オンラインの中継システムを活用して、
遠隔地の方々に向けて想いを発信していくイベントを行いました。

全国各地の教育関係の方々に向けて、映画の想いとOriHimeの誕生秘話を
お話させて頂きました。
ZOOMというシステムを使って、緊急開催で21時開始という夜の時間のイベントに
15名近くの方々がご参集いただいたことは、何よりありがたく、
そして参加後のご感想も大変嬉しいアンケートばかりでした。

この日は、吉藤健太朗さんの会社オリィ研究所4周年記念ということで、
オリィ研究所関係者様が多数集まられておりました。

代理店、商社、メーカー、不登校支援、OriHimeユーザーなどの方々に向けて、
映画の想いを伝えるお時間を拝借できましたことはとても大きな機会となりました。

大切なことは、相手に参加してもらうために、
自身も対面を大切に積極的に参加をしていく姿勢、
参加による空間共有」がとても大切であるということを感じております。

そして、支援者にご支援を授かるだけの立場ではなく、
プロジェクトの起案者(今回は弊社コスモボックス株式会社)が
みなさんと共にプラスを生み出す創造者でありますよ、という姿勢
を示すことが、何よりも大切なんだと感じております。

この共益共存の意識が、お互いの意識や信頼を強くしていき、
持続的かつ循環的の関係性を生み出してくれるのだと思っております。

LOVE=一体感という訳が、この場合ピッタリだったりするのではないかな、
と思えたりするのです。

先月は、いつもにも増してやることが満載の一月となりましたので、
自分が避ける時間も大変限られておりましたが、
その中で、積極的にイベントを大切に、様々な方と出会えたことは、
何より良かったと思っております。

「あまのがわ」これから脚本の三回目の改定作業に入ります。
かれこれ、一年半続けている作業が、ようやく完成段階に向けての
作業となります。

引き続き、応援のほど、何とぞ、宜しくお願い致します。
多大なるお力添え、心より感謝致します!
Facebookで活動報告をしておりますので、
こちらより、いいね!の応援、何卒宜しくお願い致します。

武蔵境・聖徳学園「シネマ・アクティブ・ラーニング」第1週〜第3週

2学期からは、大変ありがたいことに、
様々な先生方のご縁から、武蔵境の聖徳学園にて
全10回の「シネマ・アクティブ・ラーニング」を開催しております。

単発ではなく、回数を重ねて開催させて頂けること、
とても貴重な機会だと思っております。

今回は中学一年生、全3クラスに向けての授業を開催しております。
今までの3週では、「鑑賞理解力」「物語発見力」「演技表現力」を開催しました。

聖徳学園の学生さんたちは、廊下ですれ違うと必ず挨拶ができる、
学校の雰囲気が清潔感があり、活気に満ちた様子、というのが
何度か伺った印象でしたので、その中で、中1の学生さんたちは、
どんな風に自分と接してくれるのか、ワクワクしながら、授業に臨みました。

【第1週:鑑賞理解力】
様々な映画作品、ショートフィルムから、制作者と観客の気持ちのつながりを
考えていくというワークを行いました。
皆さん、初めて会う学生さんたちですので、小生もとてもワクワクしながらも、
どんな風に中学生と向き合えばいいのだろうと、考えながら授業に向かいました。

いつもと同様、アクティブラーニング形式の授業ですが、
中学一年生は、とても複雑な年齢だなと思いました。

まだつい最近までは小学生だった彼らが制服を着ているという感覚で、

・難しい熟語・英単語はNG
・積極的な子もいれば、冒頭から意欲ないままの子もいる
・クラスによって、雰囲気が全く違う

などなど、いつも行っている高校生・大学や社会人向けとは
また違った発見と気づきがあり、これは
教える側のテクニックや柔軟性が問われるなと感じました。

ただ、映像に対しての興味はやはり強く、
印象にあった映画は何? と尋ねると
「ワンピース」とか「NARUTO」、「ポケモン」とかが大半。
ほとんどアニメですよね^^

そんな中「ホームアローン」とか90年代の映画を答える学生が一人いたり、
教師の側が如何に彼ら、彼女たちらの触れているものを
積極的に視線を下げて勉強する必要があるよな、と改めて感じた次第でした。


【第2週:物語発見力】

第2週目は、三幕構成を用いた物語構成を行ってもらいました。

ロイロノートというアプリを使って、瞬時に学生さんたちの回答を
スクリーンに集計させて、講評致しました。

この会も各クラス、本当にマチマチで面白いなと思いました。


【第3週:演技表現力】
この週は、教室を抜け出して、体を使ったゲームを行いながら、
自分を表現して相手とコミュニケートしていくワークを開催いたしました。

実はこの週が一番大変でした。
普段なら、この3つを連続していくととても盛り上がる内容なのですが、
中学一年生の学生さんたちは、先ほどもお伝えした通り、
まだ心は小学生の方たちばかりなため、
また思春期ということもあり、
講師の言うことに耳を傾ける習慣が備わっていないので、
取りまとめに大わらわでした。

男の子、女の子の性の意識があるためか、
輪になってと言っても列になってしまう。

これはきっと、全国の中一で行っても、
こうなんだろうなという初めての体験をいたしました。

授業が3コマ続いているので、
最初に行ってNGだったことをすかさず、次のクラスでは改善させてもらい、
学生さんたちの反応もとても改善されました。

このワークは、小生だけでなく、グループでのファシリテーターの存在が不可欠だなと
感じました。

思うことに、このようなワークは、
学内の先生、学外のキャリアの講師、
双方が空間を支えていく関係がとても不可欠であることを実感しております。

現在、弊社のスタッフもとある私立でキャリア教育を行っておりますが、
この点が一番の課題だと話しており、
キャリア教育、このような外部講師を招聘しての講座においては、
密にクラスの属性、特徴、授業を開催する上での体制作りを
すり合わせしていく必要があると考えております。

なかなか、すべての体制を完璧に整えることは難しいこととは思いますが、
その意識を築くかどうかで、この教室の環境が
持続的な成長になるのか、単発で消化されるものになるのか、
という分岐をするのだと思っております。

この3週で行ったことの講師の立場から見た評価をまとめてみたいと思います。

本校は、1組、2組、3組ですが、あえてA組、B組、C組と表現させて頂きます。

それぞれのクラスの特徴は、

A組:クラスの全体で仲良く、ちゃんと相手の意見を聴けるクラス
B組:学力が高く、個々の考える力が長けているクラス
C組:表現する力に長けていて、チームの連携というよりも思った感情をぶつけるクラス

という傾向を第1週目の授業の後に担当の先生から教えていただき、理解致しました。

それがまさにそれぞれのワークで、クラスごとに評価が分かれたのは、
驚きであり、とても興味深い傾向だと思ったのです。

鑑賞理解力では、相手と対話をしながら、また作品を見ながら、
向き合っている対象をどう感じ取れるかを大切にしているワークです。

そこに一番成果を見せたのは、A組でした。

C組は、最初から、なんか小難しいことでもやるのかよ、
みたいな雰囲気から、興味を持つ子は持つ、持たない子はテコでも持たない
そんな様子でした。

・逆に翌週に行った物語発見力では、先週ダントツで良かったA組の回答は
そこまで芳しくなく、学力の高いB組が面白い回答を続出させておりました。
クラス中も大盛り上がり!

C組は、意外と面白いお話を思いつくのですが、A組のようなインパクトが少ない。

・ですが、今後は、その翌週に行った演技表現力では、
チームでまとまる意識や、相手を尊重する姿勢が欠けていて
B組が成果を発揮できなかったのですが、
学力ではなく、個々の表現力に長けているC組では、
思う存分、自分の個性を表現して、笑顔が見られなかった学生が
とても豊かな表情を見せてくれたのでした。

この3週の結果は、本当に面白く、そして驚くべき発見でした。

自分が仮説を立て、提唱してきたそれぞれのワークの特性や成果が
今回行わせていただいたことで、まさに傾向が合致していたのです。

このことは、もっと深く掘り下げて、皆さんにお伝えしていけるようにしたいと
考えております。

今週からはiPadを使ったアプリの使い方を兼ねた
映像の「制作実現力」を3週に渡って開催致します。

写表現、クレイアニメ、プログラミング

さてさて、どんな成果となるか、講師としても大変楽しみです!

様々な「先生」と言われる方とお会いして思うこと2016

おいらがデジハリで学んだことは
大人の決めたルールに捉われるなということです。
先輩を敬う姿勢は凄く大切。
学びを授かる姿勢は基本。
でもね、そこにばかり囚われなくてもいいのです。
案外、先生と言われる方は物凄く適当なのです。
大切なことは、その適当さに付き合いながらも、
ちゃんと自分の意見を言える勇気が
価値であり、勝ちなのです。
恐れるなかれ、世の中は適当で成り立っている。
だからこそ、自分の信念を貫いた経験こそが
人生の財産なんだ!

牛久アクティブラーニングフォーラム2016に登壇致しました

本日は茨城県の牛久でのアクティブラーニングフォーラム2016で登壇させて頂きました。
2時間のうちいただいた時間は30分と限られておりましたが、
各地でご提供させていただいている「シネマ・アクティブ・ラーニング」を
ご披露させて頂きました。

会場には1000名近くの高校生と教職員の方々にご参加頂きまして、
デジハリ時代に大変お世話になった羽根拓也先生と
ヒューマンビートボックスのTatsuyaさんの3名で登壇させて頂きました。

羽根先生からは、iPhoneの普及から社会がみるみる変化をしており
AIやロボットの普及から仕事がどんどんAIに代替されていく現実を
お話されておりました。
商品なども例に出されながら、皆さんならAIでは思いつかない商品はなんですか?
という羽根先生のワークおなじみのALワークを披露され、
聴衆の心をグッと引きつけておりました。

小生は、映画と教育のつながりから、様々なお題を出させてもらい
皆さんにワークをしてもらいながら、どんなストーリーが生まれていたかを
皆さんから引き出してまいりました。

ヒューマンビートボックスのTatsuyaさんとは共通の友人もいて、
お会いしてからすぐに仲良くさせて頂きました。
会場をあっと盛り上げるパフォーマンスは、さすがの一言!
実はもとは映画監督になりたかった、なんてエピソードも伺い、びっくりです!

今回感じたことは、文化と教育はとても親和性が高いということです。
映像や歌の力はとても強い。
映画は、多くの人にメッセージを半永久的に伝えることができるポテンシャルがあり、
そしてパフォーマンスは、その場を瞬時に沸かせる力がある。

劇場型の教育というのが、今後ますます増えてくると思っております。

大切なことは、学ぶ側の動機付けだと思います。

既存の受け身型では、学生は既に付いてきません。
講師が演出するタレント的な講義は楽しくはありますが、
深い学びとは言えないのかもしれません。

大切なことは、講師が楽しみ、学生が参加して巻き込む
一体型の空間を如何に教室に生み出せるかが重要だと思っております。

その体験を通じて、そもそも自分たちは、どうして学びをしているんだろう、
どうして毎日勉強をしているのだろう、ということに気づいていくのだと思います。

羽根先生が冒頭でお話されておりましたが、
「一歩踏み出す勇気」とても大切だと思っております。

羽根先生が「教育とはなぜ必要か?」と先ほどLIVEで訊ねておられたのですが、
小生が思う教育は、人生を豊かにして、他者と幸せを分かり合う知恵を養うこと、
だと思っております。

マズローの5段階欲求の自己実現の上には、きっと、
無条件の他者への貢献意識というのがあり、
そこに行きつくために、みんなでいろいろな課題を考えながら、
幸せを追求していこうという発想が小生の活動の根幹にございます。

AIやロボットで社会が変わる中で求められていること

学校・教育関係、民間企業などで様々な方とお打ち合わせさせていただく中で
必ずと言っていいほど出る話題が
これから先、急速な勢いで人間の仕事がAIやロボットに代替されていくね、
ということです。

株式会社野村総合研究所発表による
オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授と
カール・ベネディクト・フレイ博士の研究からまとめた内容で、
今後、AIやロボットに変わられる仕事は以下の通りだそうです。

シンプルな入力作業や事務作業はテクノロジーに委ねられ、
それでは賄えないクリエイティブや人との対話・コミュニケーション、
新しいものを生み出す発想力を求められる仕事は
無くなる可能性が低いと言われております。

そこで、教育現場でも、1から物事を組み立てていく力や発想が必要だよねと
言われてきているのです。

社会においても、このような急速な変化の中で、
今までのようなルーティーンが通用しなくなってきた流れを鑑み、
今までの発想から脱却して、人間だからこそできるサービスとは?
自分たちだからこそできるサービスとは?
を考える仕組みが求められてきております。

とかく、小生が思うことは、
このことに尽きると思います。
「良き考古学者になるには、図書館から出ることだ」(インディージョーンズ)

物ごとを組み立てていくための不可欠な行為とは、
身近な場所を離れ、新しい人や出来事と出会うことだと思っております。

その体験から、For Whom、WHY、HOWの考え方が構築されてくるのだと思っております。

Simon SinecのGolden Circleの考え方では、
人はWhatではなく、Whyに動かされるという考えがあります。

「この製品(サービス)は、革新的で、世の中を変えていきます」
というストーリーの流れを、
「世の中をこう変えていきます。そのために、
〜〜革新的で、この製品(サービス)があります」
のような考え方の違いです。

指示にしてもそうでしょう。
これをやって、と言われるよりも、
こういう理由だからこれをやってと言われる方が納得をされるのが例でしょう。

小生の日頃の考え方にとても近しく、
小生なら、ここに、誰のためにが必然的に入ってくると思い、
このGolden Circleを改良してみました。

「誰々のために」この言葉は、とても心に響きます。

家族のために、恋人のために、困っている人のために。
この誰々のために〜、から始めることで、
その理由や動機もより明確化されていくのだと思っております。

商品開発でもターゲットを必ず設定します。
例えば、F1層(ちょっと古い言葉ですが、20歳〜34歳を指します)に向けて、
どんな欲求がありどのような方法で何を生み出していくか。

今回にあるのは、やはり人なのです。

「人–>動機–>手段–>モノ」の考え方の順番をSimon Sinecさんの理論を転じて
Diamond Circle」と名付けたいと思います。


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